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私を離さないで

カズオ・イシグロの「私を離さないで」を読みました。傑作!と聞いていたので、書店でなんとなく手にして購入しました。最近は小説読むのキツイな、年かも…と加齢を感じていたのですが、2日で読んでしまいました。それからは、キャシー・H(主人公の語り手)が、しん、と私の中にいます。
うすうす気付いていることがクリアーになる瞬間っていうのは、日常茶飯事です。あまりにも溢れた出来事なのでいちいち覚えていられません。少なくとも私は。しかし、その中にも心に突き刺さることがあります。うろたえるとき、涙が止まらないとき、悔しくてのた打ち回るとき。色々あります。予測も出来ないときにそれは起こります。この物語は大げさではなく、日ごろ普通の人々が経験するように、クリアーの瞬間が訪れます。謎解きを楽しむのでも、社会の理不尽を声高に訴えるわけでもなく、静かに過ぎ行く日々を染み入るように読むことの出来る物語です。
謎解きではないのですが、最初に読むときは絶対何も知らないほうが「クリアーの瞬間」を楽しめると思いますので、ネットで検索して書評などは読まないのをお勧めします。