婚活

なんどか婚活をやってみたことがある。実際会ったこともある。いつも知らない人と会う緊張がとてもストレスで「こんな思いをするなら、もう出会いなんて要らない」と思う。でも、そんなことを言っていたら本当に出会いがないので、しばらくすると婚活サイトに登録してしまう。
「出会い」というだけのキーワードで実際会っても何もおもしろくない。幸い、悪い人にあったことはない。(お笑い系という意味ではなくて)面白い人というのは、本当に少ない。
数ヶ月前、ちょっと変わった映画を好む人と会った。見た目は、ちょいキモくらいで特に変ではなかったけれど、こちらが挨拶しても「ぁぁ」と社会人としてはちょっと疑問な感じ程度だった。映画を見る予定だったので映画館に向かうと、彼が歩き出したとたん、ふわっと加齢臭が漂った。気のせいかな?と思ったけれど、連れ立って映画館内に入るとと確実に彼から放たれていることがわかった。かなりキツイ目の加齢臭。その上、口臭がさらにキツかった。こちらが息が出来ないくらい。人と話してないと口の中は雑菌が繁殖して口臭がする。だから、少し話しているうちになくなるだろうと思っていた。
映画館は風通しがよくない。私はおっさんが多いと加齢臭で気持ち悪くなったりする。それが、たった一人なのに彼から放たれる加齢臭はおっさん10人分くらいは優にあるくらいキツかった。彼側の鼻の穴を押さえて体を彼から離したが、臭いは容赦なく私に鼻に入ってきた。だからといって、この臭いを口から入れるのは嫌な感じだ。彼は、私と好きな映画の方向性は似ていたが、純粋に映画が好きというより、人と違った映画を好きな俺が好きという自慢したいタイプだった。誰かの批評をそのまま自分の感想にしていた。婚活サイト上のメールで映画の話をしても、深い話にならないはずだなあ。と彼の話を聞きながら思った。その間も口臭は薄くはならなかった。近くで話している分、キツかった。その映画はコメディだったので、彼が「ふっ」と笑うたびに息が出来ないほど臭かった。まるで生ける細菌兵器。鼻が曲がるとはこのことか。
挨拶もまともにできないので、本名をいいあうこともなく、食事に誘われることもなく、映画を見て5分後には別れた。ほっとして、思い切り深呼吸した。
少々の加齢臭、例えば、ものすごく近づいたら臭う程度、ならそんなに気にならない。私だって、何かしらの臭いがある。ない人はいないし。しかし、限度があるし、まず、最初からそれだと絶対進展はできない。殺人的な口臭の人とは話せない。息が出来ないから。
インターネットでは、写真で顔は事前に知ることができても、臭いは絶対わからない。きっと、本人は気付いてないから聞いても正確な答えは返ってこないと思う。それに、婚活サイトに登録するときも、外見に関することは書く欄はあるけれど、ニオイに関しては全くない。そんなこともあって、登録はしたままにしてあるけれど、また臭いかも…と思うと、もうエネルギー使ってメールのやり取りしたり会ったりする気が起きない。軽いトラウマになった。