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007 慰めの報酬(原題:QUANTUM OF SOLACE)

監督:マーク・フォースター
出演:ダニエル・クレイグオルガ・キュリレンコマチュー・アマルリックジュディ・デンチ

猛スピードのカーチェイスから始まり、一瞬も止まることなく、文字通り息もつかせない展開が映画全編に繰り広げられる。激しい車の同士のぶつかり合い、宙吊りになっての打ち合い、隣にいた味方から突然銃を向けられる、というように本来なら怖がりな人(=私)なら画面を見ていられないほどだ。しかし、全くスリリングではない。スタイリッシュを狙っていると思われるがあまりにも細かすぎるカット割りもあって、ものすごいバーチャル感で心が動かされない。ボンドはどんな怪我でも一瞬顔をゆがめるが(それをしないときもある!)、場面が変わると怪我は跡形もなくきれいに直っており、どんなに撃たれようとも爆発で吹っ飛ばされそうとも、死なない。例えば、タランティーノの「デス・プルーフ」のように追いつきたくて思わず映画館の椅子に座ったままアクセルを踏んでしまうスリルや、クローネンバーグの「ヒストリー・オブ・バイオレンス」のようにチープなモーテル代を踏み倒すだけのために人を殺してしまう悪役の頭をぶち抜くときの爽快感はまったく味わえない。
お約束のお色気シーンは、殺されるためだけにでてくる女とベッドに入るけれど、お金もらってるんでやってますといった感じがする。ゲイと言われてもうなずける。誘い方もなんかそこだけ自信無さ気で映画全体のトーンから浮いている。ボンドガールはガリガリのせいか中性的で、おなべの人が胸を抑えるためにさらしできつく巻いたかのようなビスチェを着て登場する。ヌーブラが透けているっぽくもみえる。訛りがいろっぽいしレズビアンには見えないけれど、ボンドガールも変わったと思う。最後に舌も入れないキスをしてお別れ。
楽しめないかといえば、そんなことはない。お金もかかっているし見ている間はそれなりに楽しめる。ただ振り返ったときに、そこそこおしゃれでおいしくて高級なレストランに見栄えのいい男と行って楽しかったような気がするけれど、あまり思い出せない、という感じ。想像なんですけど。
アンチエイジング的な見所はやはり、ボンド演ずるダニエル・グレイク。スーツが似合う男ってたまらない。皺もかっこいい。こんな男と昔話したら、同世代のよしみで盛り上がるだろうなあ、と想像するだけで、体内の酸化が抑制される気がする。


殺されるために出てきた女はジーナ・デイビス

I said get in.

悪役のマチュー・アマルリックが怖かった…
いい写真がなかったので、違う映画から。目がなんか逝ってる…

絶対死にません!