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2008年8月13日

もう今が何時なのか時間の感覚もなかった。目を開けると明るかった。ベッドの脇に母からのメモが置いてあった。何回か読み返した。母がいたことなんて、全くわかならなかった。
水曜日は部長回診があり、婦長さんと数人のお医者さんを従えてぞろぞろやってきた。私はぐったりベッドで寝ていたので身をまかせていた。手術が遅かったからまだまだだね。と先生たちに言っていた。私に話しかけるのは婦長さんのみ。
ナースコールは押さなくても、まめに看護師さんは来てくれた。しかし、このあたりの記憶はあまりない。いちおう、看護師さんの問いかけにはちゃんと答えていたと思う。市民病院で手術した友達が、「尿管がとれるとすっきりしてだいぶ楽になる」と言っていたことを思い出し、あまり回らない頭の中で「尿管がとれるとマシになるはず」と考えていたような気がする。相変わらず寝返りは打てず、お腹の中はガスがグルグルしていた。
看護師さんが来ないときは、ずっと眠っていた。知らない間にご飯が運ばれていた。食べられるのだったら食べていいと言われたけれど、全く食欲がなく食べられなかった。
お昼過ぎに看護師さんが来て尿管を外し、体を拭いてくれた。そういえば、この病院着には誰が着替えさしてくれたんだろう?そして、婦人科の病気だけかもしれないが、消毒綿で陰部の拭き方も教えてくれた。看護師さんはこんなことまでしなくちゃならないんだと改めて頭がさがった。消毒綿一箱使い切るまでトイレに行くたびに消毒するように言われた。術後初めてトイレに歩いて行くのは不安で、そろりと足を地面につけた。激痛が走るかもしれないとビクビクしたが、そんなことはなかった。癒着を防ぐために歩いたほうがいいのだそうだ。そして、尿管が外れると寝返りは打てるようになった。これだけでだいぶ気持ちが楽になった。
若手の先生の回診もあった。たぶん、手術をしてくれた人たちだと思う。傷口をみせるだけで、別に脱ぐ必要はないのになぜか全部脱いでしまった。さっきの部長回診では婦長さんが脱がしてくれたのでつい同じ様にしてしまった。あとで別に脱ぐ必要がなかったことを思うと恥ずかしかった。左手には血がにじんだガーゼが貼ってあった。それを1人の先生が「これ、何?」と責めるように言って違う先生と口論っぽくなっていた。なにかまずかったのか?体がしんどすぎたせいか、先生に質問する気力もなかった。ガーゼをはがして先生たちは去った。あとから思うと、どうやら自己血の輸血の痕らしい。
面会時間になり母がやってきた。前日の手術のときは、終わるまで食堂で待っていたらしいが、いつまでたっても呼びに来てくれなく、病室に行くと私がもう帰ってたらしい。そこで先生の説明があるとまた待っていると、次ぎ来た看護師さんに「面会時間は終わったから帰ってください」といわれたそうだ。「先生の説明は?」と聞くと、「先生は帰りました」と言われたので、家に帰ったそうだ。酷い話だなと思ったけれど、母はあまり気にしてなかった。
術前に説明をしてくれた先生が術後の説明もしてくれた。切ったのは6cm縦切り。小さい切り口にしたので横では無理なんだそうだ。それを最初に説明して欲しかった…。摘出した筋腫の数は32個。一番大きいのは7cm。これは切り口からでなかったので、小さく刻んだそうだ。あとは、手で触ってミリ単位のまでとってくれたらしい。卵巣脳腫は悪いところだけを取った。チョコレート嚢腫だったそうだ。そしてショックだったのは、私が子宮内膜症だったこと。子宮内膜症の友人は何人かいて、本当に生理が辛そうだった。ただ、私がラッキーだったのは、筋腫のおかげであまり飛び散っておらず、癒着をおこしてないとのことだった。だから生理が重くなかったのかもしれない。その子宮内膜症の芽のブルーベリースポットと呼ばれるものも確認できるものはすべて焼いてくれたそうだ。出血は350ccで、自己血を400cc輸血したらしい。だからプラスマイナスゼロ。こうやって聞くと、開腹にしてよかったような気がした。手術時間は4時間半。取った筋腫はすでに病理検査(ガン組織がないかなどの検査をする)に出してしまったので見られなかった。友達の筋腫の写真を見せてもらったことがあるけれど、肉の塊だった。きっと同じ様なものだろうと想像した。子宮内膜症と聞いて、筋腫もなくなったしこれからは生理が重くなるのでしょうか?と先生に質問すると、今まで重くならなかった人はたぶん変わらないと思います。と言われた。ちなみに有茎もあったそうだ。最後に、手術後1年はゴールデンイヤー(違うかも)と呼ばれ妊娠しやすくなりますと言われた。
それからは、母と母の前日1人で夜タクシーに乗って帰った話だとか、母が私を帝王切開で産んだときは歩くのを禁止されていたなどを話し、夕方になって帰った。
隣のベッドの人はどうやら風邪をひいたらしい。よく咳をしている。私は咳がすぐに移ってしまうのだ。咳をしている人にはなるべく近づきたくない。カーテンで仕切られているとはいえ、上は通気性をよくするためか、大きな目のメッシュになっている。隣の人が咳をしているときは、私はなるべく息をしないことにした。