私を離さないで


原作は、カズオ・イシグロ作の同名小説。私が死んだら棺おけに入れて欲しいと思っているくらいに好きな小説だ。
映画の評判はよくなかったので期待しなかった。確かに映像は綺麗で、原作を読んだときに頭に浮かんだイメージとかけ離れたりしてなかった。役者もあってた。
原作は、奇妙な話でなかなか説明しにくい。SFやサスペンスやミステリーでもない。謎解きを楽しむ話ではない。でも、絶対なにも知らないで読むほうがおもしろい。
中々、映画にするのは難しいと思う。丁寧な語りで少しずつ明らかになるところがこの小説の肝だと思うけれど、映画では時間的制限やリズムもありそれができないので、恋愛模様に軸をおいたようだ。原作では3人の人間関係は大切なのだが、決して恋愛が中心になってはいない。そのせいで映画では、微妙にずれて原作からは感じられない「なんで、逃げないの?」っていう気持ちにさせられる。心の底から愛し合う二人にしてしまうと、主人公たちは手と手を取り合って新しい場所へ行く=希望という見ているほうの刷り込みがあるのかもしれないが。
原作を好きじゃない人だったら楽しめるのかもしれない。